今年もあとわずかですね。
年末年始は、食事の機会が多いかと思いますが、この時期は特に高齢の方がのどに食べ物を詰まらせる事故が発生しています。
未然に防ぐことがもっとも大事ですが、もし身近にそのような状況が起こったら周りの人はどうしたらよいでしょうか。
今月は「気道異物除去」に焦点を当てた内容でお伝えします。
予防が何より大事です
事故予防のためにできること
- お餅やこんにゃくなど飲み込みにくい食べ物は小さく切って食べやすくする
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 食べ始める時などにお茶や汁物を摂るようにする など
もし詰まらせてしまったら・・・
気道に異物を詰まらせたときの症状
- 突然、もがき苦しみ、声が出せない
- 話しかけても返答ができない
- 異常音(狭くなった気道を空気が通ろうとするために生じる)
- チアノーゼが出てくる など
窒息のサイン
窒息のサイン(※ただし、示せるようになるのは5歳位から)
気道に異物が詰まると、左図のように親指と人差し指でのどをつかむような仕草をして、苦しい状態を示そうとします。
対処方法
- 咳をすることが可能であれば強い咳をさせる。
- 声が出ない、十分に強い咳ができない場合は119番通報をしたうえで以下の方法を試みる。
背中をたたく(背部叩打法)
上腹部を圧迫する(腹部突き上げ法)
※妊婦や高度な肥満者、乳児には行わない
※腹部突き上げ法を行った場合は、内臓を
損傷している可能性があるので、窒息の
状態がおさまっても必ず医師の診療を
受けさせる
※妊婦や高度な肥満者、乳児には行わない
※腹部突き上げ法を行った場合は、内臓を
損傷している可能性があるので、窒息の
状態がおさまっても必ず医師の診療を
受けさせる
傷病者が横になっている場合や子どもへの対処方法については、下記の資料・動画をご参照ください。
資料
動画
救急法・幼児安全法 気道異物除去(日本赤十字社東京都支部公式YouTube)
もし、意識を失ったら・・・
気道異物除去を行っていても、反応(意識)がなくなった場合は、一次救命処置の手順で手当を行うことが重要となりますので、下記動画も参考にご覧ください。
のどに物が詰まると、とても苦しく声が出せない場合もあるため、周りの人がすぐに気づいて正しい対応をしてあげることが大事です。
また、物を口に入れやすい幼児にも起こりやすいため、身の回りの物の置き場所への注意や、食事の際は見守るなど予防にも努めていただき、安心、安全に年末年始をお過ごしください。