寒い日が増えてきました。
一日の疲れを癒すお風呂は楽しみの一つかと思いますが、寒い時季は湯船と浴室の温度差が大きいため、入浴中の事故が起こりやすく、注意が必要です。
今月は、入浴中の事故を予防するための留意点等を中心に、安全な入浴のヒントをお伝えします。
入浴中の事故の種類
- 急激な血圧の変化で意識障害が要因となり、浴槽内での溺死・溺水
- 足元のバランスを崩し転倒事故
- 病気(急性心筋梗塞や脳卒中など)による心停止
どのような人に起こりやすい?
- 65歳以上の高齢者
- 高血圧・糖尿病・動脈硬化などの持病をもっている
- 肥満気味
- 睡眠時無呼吸症候群など、呼吸器に問題がある
- 不整脈がある
- 自宅の脱衣所や浴室に暖房器具がない
- いわゆる“一番風呂”に入ることが多い
- 熱いお風呂が好き
- お酒を飲んでから入浴することがある
注意すべき点は?
- 入浴前後の体調チェック(体調が悪い時は入浴を控える)
- ヒートショック(※)を防ぐため、浴室や脱衣所等をあらかじめ暖め、浴室の外と中の温度差を小さくする
- 長時間の入浴や熱いお風呂は避ける
- 入浴前や入浴中にこまめに水分を摂る
- 心臓病や高血圧の人は半身浴がよい
- 入浴中は周りの人が時折声をかける
- 浮力で身体が浮いてバランスが崩れるのを防ぐ など
※ヒートショックとは
大きな温度差にさらされることで血圧が急激に変化し、身体に不快や不調をきたしたり、あるいはショック状態に陥ったりすること
ヒートショック(出典:内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン)
特に、日本は浴槽に浸かる習慣があることから、国際的に見て「入浴中の事故」が多いと言われており、上記のヒートショックは特に気を付けるべきポイントでもあるでしょう。
また、滑り止めマットや手すりの設置など安全に入浴しやすい浴室の工夫をすることもおすすめです。
予防が一番の解決策ですが、万が一、浴槽の中で急病となり、反応(意識)がなく、普段どおりの呼吸が確認できない場合は、一次救命処置の手順で手当を行うことが重要となりますので、下記動画も参考にご覧ください。
動画で見る一次救命処置
お風呂を楽しむためには、安全、安心に入浴する環境を作ることが大事だとわかりましたね。特に冬場は急激な温度差に注意し、周りの方の声掛け等で見守りをしながら入浴すると良いでしょう。