赤十字の活動は、「苦しんでいる人を救いたい」という赤十字の人道的使命に賛同する多くのボランティアによって支えられています。千葉県内では約6,000人の赤十字ボランティアが9つのグループ(奉仕団)に分かれ、地域のネットワークや専門技術・特技を活かして活躍しています。
今回は、地域に根ざした様々な活動を行っている「地域奉仕団」をご紹介!
地域奉仕団とは...
昭和23年に創設された地域奉仕団は、来年創設75周年を迎える千葉県内でもっとも歴史がある奉仕団です。地域奉仕団は、市区町村ごとに組織され、防災・減災活動や救急法の普及、献血推進活動、高齢者支援活動など地域に根ざした様々な活動を行っています。
防災訓練に参加し非常食の炊き出し
子どもを対象に防災教室を開催
献血への協力を呼びかけ
南房総市赤十字奉仕団
認知症予防カフェでの活動を取材してきました!
周りには田んぼが広がるのどかな場所に、認知症予防カフェ「おたがい
そんな認知症予防カフェで活動している南房総市赤十字奉仕団(丸山地区分団)のみなさんにお話を聞きました!
左から丸まり子さん、石井洋子さん、平井惠美子さん、松田惠子さん
こちらの認知症予防カフェはいつからあるんですか?
平成28年3月2日にオープンしました。
丸山地区で地域福祉フォーラムが開催された折、地域住民から「認知症の方やその家族、地域の方、誰でも気軽に立ち寄れる場所を作ってほしい」という声があがり、それに応えるため、私たち赤十字奉仕団を含む13名のボランティアが発起人となり、設立しました。この地区では一番初めにできた認知症予防カフェなので、初日は高齢者だけでなく小学生も遊びにきたりして、100人近い人が集まったんですよ。
100人ですか!それはすごいですね!
普段は何人くらいの方が利用されているんですか?
40名ほどです。主に利用しているのは地域の高齢者ですが、館山市など市外からいらっしゃる方もいますよ。夏休みには小学生が遊びに来たりと、幅広い年齢層の人が集まって、交流の場となっています。ここで知り合って仲良くなったという方も多く「この歳になって友達ができたよ」と喜ぶ利用者さんも。
地域のみなさんの交流の場となっているんですね。
そうですね。コロナ禍でしばらくお休みしていた間も「はやく再開してほしい」という利用者さんの要望が多く、みなさんにとって必要な場所になっていると思いますし、「ここに来ることでおしゃれをする機会ができたわ」と嬉しそうに話す利用者さんを見ると、毎日家で過ごすのではなく、こういった場所があることで日々の生活にメリハリが出てくるんじゃないかなと感じます。
こちらではボランティアとしてどんな活動をしているんですか?
利用者さんにお茶やお菓子を提供したり、話し相手になっています。ボランティアの中には元看護師や元保健師、赤十字の健康生活支援講習受講者もいるため、認知症の方に対しては、症状の進行具合をボランティア間で情報共有して、積極的に声をかけるようにしていますね。
私たち以外にもカフェの運営をお手伝いしてくれる地域住民がいるんですよ。例えば、コロナ前はみんなでお昼を食べていたんですが、お弁当を毎週配達してくれる人がいたり、エアコンを譲ってくれた人がいたり。地域の沢山の人たちに支えてもらって、このカフェは運営できているんです。
地域全体で支え合っているんですね。
そんな中で、今後の課題と思われることはありますか?
ここに来たくても、移動手段がなくて来られない高齢の利用者さんがいることです。こういった場所なので車がないと来られないですし、高齢のため車を手放した方は、ご家族などがいれば送迎してもらえますが、それが難しい人もいます。今はそういった方は数名なのでボランティアが送り迎えをして対応できていますが、今後そういった方が増えてきた時にどうしたらいいのか心配です。カフェの近くにバス停などができれば嬉しいのですが...うふふ。
ここで過ごす利用者さんやボランティアのみなさんの楽しそうな姿が印象的でした。
どんな想いで活動されているんですか?
利用者さんが元気でニコニコ楽しそうにされている様子を見るのは嬉しいし、帰り際に「楽しかったよ~また来るわね」と言ってくれた時にはやりがいを感じます。私たちもここでの活動は楽しいですし、それこそ“おたがいさま”なんです。それに、いずれ自分たちも年をとって誰かのお世話になる日がくるので、“おたがいさま”の気持ちは常に持っていますよ。このカフェが地域の高齢者を見守って支える拠点になっていければと思います。
おたがい茶間 カフェ
営業日 | 毎週水曜日10時~15時 ※コロナにより現在は第1・3水曜日10時~12時 |
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場所 | 千葉県南房総市岩糸1082番地 |
対象 | どなたでも |
参加費 | 200円 |
主催 | おたがいさまネットワークまるやま |
おたがい
それは、奉仕団員をはじめとした地域住民による地域づくりへの強い想いがあってこそです。これからも「おたがいさま」の気持ちで、地域の高齢者を支える拠点づくりの活動は続いていきます。