献血は、輸血が必要な患者さんの命を救うために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティア。千葉県では年間、延べ約23万人の方にご協力いただいている献血ですが、昨今は若い世代の献血者が減少傾向にあり、特に現在はコロナ禍の影響でさらに献血者の確保が難しくなっています。
そんな今だからこそ、献血の必要性と血液センターの取り組みを知ってください!
どうして献血が必要なの?
輸血というと、不慮の事故などをイメージする方も多いかもしれませんが、実は集められた血液の多くはがん(悪性新生物)などの病気の治療に使われています。
医療技術が進歩した今でも、血液は人工的に造ることも長期保存することもできません。また、献血できる回数や量には上限があるため、安定的に血液製剤をお届けするためには、年間を通じて多くの方に継続して献血にご協力いただく必要があります。
疾病別輸血状況(令和3年東京都)※不詳は除く
(東京都福祉保健局調べ)
※端数処理しているため、合計が必ずしも100%にはならない。
千葉県内では1日約150人の患者さんが輸血を必要としていて、そのためには1日約800人の献血者が必要なんだっち!
若者の献血者が減少しているの?!
10~30代の献血者数は、平成24年度に約124,917人、令和3年度は76,549人と、この10年で約39%も減少しています。(千葉県内)
血液の多くは高齢者の医療に使われている一方で、献血者の60%以上は50歳未満の方々で、この世代の方々が輸血医療を支えています。少子高齢化が進み、このままのペースで若者の献血者数が減少すると、輸血用の血液が不足して必要な時に輸血できなくなる恐れがあります。
(日本赤十字社調べ)
出典:愛のかたち献血 令和4年4月第27版
「はたちの献血」キャンペーン実施中
献血者が減少しがちな冬期に、「はたち」の若者を中心に献血へのご協力をお願いするキャンペーンを1月から2月にかけて実施しています。
県内6か所にある献血ルームや献血バスで、ぜひ献血にご協力ください。
ありがとうの声~輸血を受けた患者さんからのメッセージ~(千葉県在住・54歳女性)
私は血液の病気で自分の力では思うように血液を作れず、これまでに何度輸血を受けたかわかりません。点滴から流れてくる血液を見るたびに献血をしてくださった方々の善意に支えられ助けていただいていることを実感しています。また、私に合った血小板が不足した際には同じ型を持つ方がわざわざ出向いて献血をしに来てくださる事も知り、更に感謝の気持ちでいっぱいになりました。たくさんの方々に助けていただいていることに、心よりお礼申し上げます。
血液センターの職員にインタビュー
千葉県内の血液事業を担っている千葉県赤十字血液センターでは、290人(2023年1月1日時点)の職員が、献血者の受入や採血業務、医療機関への血液製剤の搬送業務などを行なっています。今回は、献血ルームで勤務している職員に、献血者への想いや安全な血液を安定的に患者さんへ届けるための取り組みについて聞きました!
献血者にはいつもどのような気持ちで接していますか?
献血者の皆様には、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。「また献血をしたい」と思っていただくため、献血ルームにいらっしゃる間は気持ちよく過ごしていただけるよう心がけながら接しています。
献血で使用する針は、健康診断などで使用されている針と比べるとかなり太いんです。そんな針で採血されることを承知のうえで、毎回勇気を持って献血をしに来てくださる献血者の皆様には尊敬と感謝の気持ちがあるので、どんな時でも真摯に対応しています。
若い世代の献血者が減少していますが、どのような取り組みをしていますか?
日々献血者の皆様に献血に来てくださった理由をお聴きしているのですが、やはり20~30代の方はSNSをきっかけに来場いただく方が多いので、Twitterを活用して、その日の献血ルームの予約の空き状況やキャンペーンの情報などをこまめに発信するようにしています。
また、血液センターでは、県内の小・中学校で出前授業を開催し、若年層に献血への関心を持ってもらえるよう取り組んでいます。
出前授業の様子
安全な血液を患者さんに届けるために、どのような取り組みをされていますか?
採血に関して言えば、患者さんに安全な血液を届けるため、そして献血者の皆様の安全を守るために、あらゆる手順や管理方法が決められているので、それに沿って採血業務を行なっています。
また、献血いただいた血液は、精密な検査をした後に血液製剤となり、適切に保管され、365日24時間体制で医療機関に届けられています。
血液の流れ
献血者との関わりの中で印象に残っていることはありますか?
ご家族が輸血を受けたことがきっかけで初めて献血をしにいらした方が、採血をしている時に「輸血用の血液って、献血する人の力だけじゃなくて、献血の呼びかけをしている人や受付の人、問診のお医者さん、採血する看護師さん...たくさんの人たちの力で出来てるんだね」と仰ってくださったことがあり、今でも印象に残っています。
私たち血液センターの職員は、これからも献血者の皆様の善意の献血が血液を必要としている患者さんに安全に届くまでの橋渡しをしていきたいと思います。
関連リンク
ラブラッドアプリのご案内
献血の予約・事前の問診回答・献血後の血液検査の結果確認などができる便利なアプリができました!ぜひダウンロードしてご利用ください。
千葉県赤十字血液センターのご案内
県内の献血ルームや献血バスの運行予定、各キャンペーン、血液に関する情報については、千葉県赤十字血液センターのホームページをご覧ください。