令和6年1月1日16時10分、石川県能登地方を震源とした最大震度7に及ぶ大規模な地震発生から約3カ月が経過しましたが、現在も赤十字では支援活動を続けています。
赤十字の支援活動
千葉県支部では、今回の災害に対し日赤災害医療コーディネートチームや医療救護班、こころのケア班や被災医療機関支援のために看護師を被災地に派遣しています。
日赤災害医療コーディネートチーム
救護班から活動報告を受けるコーディネートチーム
被災地の保健医療ニーズを把握し、都道府県保健医療調整本部の災害医療コーディネーター等との協議・調整を行うとともに、救護班の活動に関して医療救護の専門的観点から活動の調整等を行います。(基本構成:医師、看護師、薬剤師、事務職員等の計4人)
医療救護班
珠洲市内の避難所にて巡回診療を行う成田赤十字病院の医師・看護師
一人でも多くの人命を救助するため、被災地の医療機関の機能が回復するまでの空白を埋める役割を果たします。主に、救護所(臨時の診療所)での診療や避難所等への巡回診療を行います。
医療救護班は原則として、医師を班長とする6名(医師1名、看護師3名、主事2名 ※千葉県支部では薬剤師1名を追加した計7名)を1班として編成し、医薬品や医療資機材のみならず、班員の水、食料、寝具等も持参し、自己完結型の医療救護活動を展開する医療チームです。
こころのケア班
被災者だけでなく支援者の支援として被災した自治体職員の手や肩をもみ、こころのケアを行う成田赤十字病院の看護師
研修により必要な知識や技術を身に付けたこころのケア要員が、避難所や地域を巡回しながら被災者の方々と接する中で、健康や身近な悩みなどをお聞きし、力になれるように心理社会的支援を行います。必要に応じて、専門的な支援への橋渡しを行うことも重要な役割となります。
看護師派遣
市立輪島病院にてインフルエンザや新型コロナウイルスの検査を行う成田赤十字病院の看護師
被災した医療機関を支援するため、看護師を派遣しています。
発災後の千葉県支部の動き
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1月1日16時10分
地震発生
発災直後に職員が支部に参集し、被災状況や医療ニーズなどの情報収集を行う。また、成田赤十字病院に医療救護班の待機準備を要請する。
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1月4日~
義援金受付開始
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1月8日~
医療救護班等の被災地派遣
医療救護班が活動したすずなり救護所- コーディネートチーム
- 第1チーム 1月8日~1月12日(珠洲市)
第2チーム 2月18日~2月25日(珠洲市) - コーディネートスタッフ
- 1名 2月19日~2月25日(石川県庁)
- 医療救護班
- 第1班 1月15日~1月19日(珠洲市)
第2班 1月27日~2月1日(珠洲市)
第3班 2月4日~2月9日(珠洲市) - 看護師派遣
- 1名 2月11日~2月17日(輪島市)
- こころのケア班
- 第1班 2月27日~3月4日(七尾市)
- ※日赤全体としては1月2日から医療救護班を被災地に派遣し、救護活動を開始しています。
- ※被災地での救護活動が継続的かつ絶え間なく行えるよう、全国の赤十字医療救護班の支援体制を計画的に構築し、被災地に派遣しています。
被災地に派遣された医療救護班の声
被災地は建物が崩壊し、道が寸断され車で移動するのも困難な環境で、報道で伝えられていた以上に大変な状況でした。
水やガスなどライフラインがストップし、地域の医療もままならない中で私たちにできることはいち早く被災者の方のもとに向かいニーズに応じた医療救護活動を行うことです。
各避難所や救護所(臨時の診療所)での活動では医療が必要とされていると感じる場面が多く、微力ながら求められているものに応えることができたと実感するとともに赤十字として、医療救護班としての役割の重要性を再認識しました。
また、派遣時期は1月中旬から2月で時折雪が降る寒い時期でしたので、私たち自身も活動中に体調を崩さないように意識していました。
地震発生から時間がたった今でも、被災地では依然として避難生活を余儀なくされている方々がたくさんいますが、そうした被災者の方々に寄り添いながら今後も支援を続けていきたいと思います。