
今年のテーマは、「たすけあうことが希望への道をひらく」。今回は千葉県支部が支援する4か国の現状をご紹介します。12月は海外で苦しんでいる人に目を向ける月にしませんか?
NHK海外たすけあいとは?
NHK海外たすけあいとは毎年12月1日から25日まで、NHKと日本赤十字社が共催している募金キャンペーン。
寄せられた募金は、日本赤十字社を通じて、世界各地で、紛争、災害、病気などに苦しむ人々のために役立てられます。
イスラエル・ガザ人道危機だけじゃない
世界全体では、相次ぐ武力紛争や暴力行為、激甚化する自然災害、深刻な食料危機など、様々な人道危機が複合して起こったことにより、多くの人々が命をつなぐための支援を必要としています。その数1億人以上。
イスラエル・ガザなど報道で目にする地域以外で苦しんでいる方にも、救いの手を差し伸べることができるのが、「NHK海外たすけあい」募金です。
千葉県支部が支援する4つの国
千葉県支部も現場の最前線で活動する海外赤十字社を、資金面や職員派遣によって支援しています。
今回は、千葉県支部が支援する4か国の状況と支援内容をご紹介します。
ラオス救急法普及支援事業
心肺蘇生の練習をする高校生たちⒸ日本赤十字社
ラオスでは、インフラ整備が不十分であることから、地方部で雨季には洪水や地滑等の自然災害が頻発しており、都市部では、経済発展に伴う道路交通量の増加の一 方で交通事故が多発しています。医療体制も十分でない背景があり、地域住民 が自分たちで応急手当を実施できるようになることが重要です。
支援内容
- 救急法資機材の整備、教材の改訂
- 救急法指導員の養成
- 学校における救急法講習の実施
- 地域コミュニティ対象の救急法普及啓発イベントを開催 他
バヌアツ青少年赤十字海外支援事業
小学生が災害リスク軽減の授業を受け地震時に「しゃがんで」「動かず」「頭を守る」を練習する様子🄫バヌアツ赤十字社
バヌアツは、オーストラリアの北東に位置し、83の島からなる島国です。同国は自然災害リスクが高く防災への意識が高いことから、日赤は2017年度からバヌアツ赤十字社が行う防災教育事業を支援しています。
支援内容
- バヌアツの教育訓練省とのパートナーシップ強化による支援体制の整備
- 教師対象の研修に防災研修を導入
- 授業計画に防災教育を導入
- 学校に災害情報掲示板を配置 他
インドネシア防災強化事業
生徒が先生と自作した防災のうたを披露🄫インドネシア赤十字社
アジア有数の災害多発国であるインドネシアでは、特に地方部での公共インフラ整備が著しく遅れています。
日赤は、2020年から、インドネシア赤十字社とともに同国ジャワ島南部の巨大地震の発生リスクの高い村落と学校を拠点に防災強化事業に取り組んでいます。
支援内容
- 村落や学校周辺の災害リスク調査、防災マップ・避難ルートの策定
- 家庭訪問による地域住民への啓発活動 他
南スーダン紛争犠牲者支援事業
ICRCから供給されたかぼちゃの種を運ぶ女性たち©ICRC
車いすバスケットボールの選手とICRCのスタッフ🄫ICRC
2011年の独立以降も紛争が続く南スーダン。2024年現在も約230万人が周辺国に難民として流出し、約220万人が国内避難民となっています。
赤十字国際委員会(以下ICRC)は、南スーダン赤十 字社と連携し、食料の配付や生活の自立支援、負傷者の医療支援、避難民の保護活動、こころのケア等を実施しており、日赤も資金援助や医療スタッフの派遣により同事業に貢献しています。
支援内容
- 紛争犠牲者を受け入れるリハビリテーションセンターの運営強化、専門職の能力強化支援
- 障がい者スポーツチームへの金銭的・技術的支援
- 障がいのある子どもの学習支援、職業訓練 他
千葉県支部は、日赤で唯一義肢製作所を持つ支部として、リハビリテーションを運営している当事業を資金面から支えています。
日本から私たちができること
遠く離れた日本から、支援を必要としている人々に救いの手を差し伸べられるのが「NHK海外たすけあい」キャンペーン。世界で苦しんでいる人の希望の道をひらくために、皆さまのご協力をお願いいたします。
くわしくは、NHK海外たすけあい(日本赤十字社ホームページ)をご覧ください。