現在様々な災害が頻発しており、特に大地震や、深刻な風水害への備えが必要といわれています。また、高齢者は災害による影響を強く受けるため、他者による一層きめ細やかな支援が必要とされています。
風水害は災害に備える時間があります。日頃から気象情報に注意を払い、正しく理解することで、被害を軽減することが可能です。市町村から下記に示す避難情報が出されたら、避難指示を待たず、早めに避難することを心がけましょう。

避難時の高齢者の気をつけたい病気や症状
避難所生活を余儀なくされる高齢者は、慣れない環境で自立度が低下したり、体調を崩したり、持病を悪化させる恐れがあります。
生活不活発病

生活不活発病とは「動きにくい」ために「動かない」でいると「動かなくなる」状態で、心身の機能が低下します。
- 日中横にならないようにする
- なるべく歩くようにする
- 動く機会を増やす(役割を持って動いてもらう)
脱水

トイレに行くことや飲料水の確保に不安を覚えて控えたりすることで脱水状態になりやすいので、水分摂取の必要性を理解し、こまめに水分を摂取するようにしましょう。
かぜなど

感染に対する抵抗力が低下しているため、風邪等にかかりやすくなります。
食中毒

抵抗力や消化吸収力が低下している高齢者は食中毒を起こしやすくなります。
高齢者はものを大切にする気持ちが強かったりすることで、消費期限が過ぎた食品を食べて食中毒を起こすこともあります。
エコノミー症候群

からだを自由に動かせない状態で、長時間過ごしたり寝泊りした場合、足の血液の流れが悪くなり血のかたまりができます。
軽い症状は、片側の足のむくれや痛み、重症になると、息が苦しくなり、胸の痛みを訴え失神することがあります。
- 窮屈な場所で寝泊まりしない
- 水分を十分に摂取する
- 定期的にからだを動かす
やむを得ず、長時間椅子に座っているときは、かかとの上げ下げ、ふくらはぎを軽くもむ等の足の運動をしましょう。
高齢者は心身に影響を受けやすい
災害によるショックや避難所生活による環境の変化等が要因となって、高齢者の心身に影響を及ぼし、体調を崩したり、寂しさや不安から悲壮感や失望感が強くなる等の症状となって現れ、次第に生活に不都合がでてきます。
地域の顔見知りの人が、いつもそばにいてくれれば、それだけでも安心につながりますし、病気や障害のある人には、介護がスムーズに行えるような配慮があれば心強いでしょう。