日本赤十字社が行っている活動は多くの赤十字ボランティアにより支えられています。
今回は、赤十字ボランティアが行う活動への助言や研修を行っている赤十字奉仕団支部指導講師の稲積修さんと髙柳善江さんのお二人に赤十字のボランティアについてお話を伺いました。
1.赤十字マークをつけて活動すること、その力強さ
これから活動する人、「ボランティアをやってみようかなぁ」と考えている人に伝えたい赤十字ボランティアの魅力とは?
髙柳
赤十字マークをつけて活動できることが一番の魅力というか強みだと思います。マークの持つ意味(人の命と尊厳を守る)をしっかりと理解しながら、その組織(赤十字)の中で活動するということ、その力強さ、一人ではできない活動の幅広さがありますね。
稲積
魅力を伝えるのは難しい。伝えて伝わるものじゃない。やった本人が感じるかどうか。だから、どうせやるなら世界が認めた、そして時代が変化しても変わらない赤十字ボランティアをやってみたらどうですか、そんな感じです。
2.ひとりひとりに目を向けること。それは変わらない
時代とともにボランティアの存在はどう変わってきたでしょうか?また、「これは変わらない」と思うことは?
髙柳
たくさんの人がボランティアをするようになり、認められ、あてにされるようになって、活動しやすくなり、やりがいも出たと思います。人のために、という気持ちは昔から変わらない点ですね。
稲積
社会福祉関係のボランティアの普及が進んで、活動も深まってきている。とても良いことですが、あくまで大勢を対象にしています。困っている人、ニーズが違う一人ひとりに目を向けることは、いくら社会が進んでも社会福祉が充実しても変わらない。それが赤十字が活動を続ける理由だと思います。
3.日ごろから注意深い生活を
身の回りで自分ができること(ボランティア)を身につけるには?
髙柳
まず、周りで何が起きているかを知ることです。なぜそれが起きたか、そこからニーズは見つかると思います。
稲積
日ごろからどれだけ注意深い生活をしているか、ということ。他者、大勢でなくても周りの人ひとりでいいからそこに気持ちが向いた生活をしているか、そういうことだと思います。
4.日ごろの生活で自然に学び、育む
今、身の回りで注目していること、興味があること、問題など(赤十字の視点で)
髙柳
コロナ禍で人が人を誹謗中傷するような状況がありますね。そういうニュースなどを聞くと、赤十字の出番かなと思います。青少年赤十字では、子どもの頃から人を大切にする精神を、特別に学ぶのではなく、日ごろの生活の中で自然に学び、育む工夫をしています。その考え方や活動が、今ここで発揮されることを願っています。
稲積
コロナ禍において多くのボランティア活動が停止して、ほぼ動けない日々が続いたけれど、ここで大切なのは活動のない中で失ったものを明らかにすること。ボランティアの存在意義を証明することだと思います。
5.必要なところに目を向ける、必要なら活動する
赤十字ボランティアの研修で伝えていること、伝えたいことは?
髙柳
必要なところに目を向ける、必要なら活動する、そういうところを大事にしたいと思っています。
稲積
人ひとりの命と健康を大事にする赤十字、それを伝えていきたい。社会的なサービスから漏れている、届かないことに目を向け、活動するような、そういった赤十字のエキスを伝え、みんなで考えていきたいと思います。