1月1日16時10分頃、石川県能登地方を震源とした最大震度7におよぶ「令和6年能登半島地震」が発生しました。
日本赤十字社では、発災直後から災害対策本部を立ち上げ、被災地への救護班の派遣や救援物資の配布など、全国のネットワークを活かし、複数の都道府県支部において活動を行っています。
千葉県支部の対応
当支部では、発災直後から職員が支部に参集し、他県支部と連絡を取り合いながら情報収集・連絡調整を行っています。日赤本社や他支部、関係機関と調整し、医療救護活動をはじめとした被災地支援を行っています。
日赤災害医療コーディネートチームの派遣
日赤災害医療コーディネートチームとは
被災地の保健医療ニーズを把握し、都道府県保健医療調整本部の災害医療コーディネーター等との協議・調整を行うとともに、救護班の活動に関して医療救護の専門的観点から活動調整等を行います。(基本構成:医師、看護師、薬剤師、事務職員等の計3人)
- 第1チーム
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1月8日(月曜日)から12日(金曜日)まで、日赤災害医療コーディネートチームを石川県に派遣し、珠洲市健康増進センター(日赤第2ブロック活動拠点本部)で、日赤救護班・他機関が行う医療救護、避難所アセスメント等の活動に関するコーディネート業務を行いました。
- 派遣期間 令和6年1月8日(月曜日)から1月12日(金曜日)まで
- 派遣職員 医師1名(成田赤十字病院)・事務職員2名(成田赤十字病院職員1名、日本赤十字社千葉県支部職員1名)
- 派遣先 石川県珠洲市(珠洲市健康増進センター)
- 活動内容 珠洲市内避難所のアセスメント及び巡回診療を行う日赤救護班や他団体医療チーム等の活動調整
活動の様子
1月8日
出発式の様子早朝に出発し、約10時間かけて現地に到着石川県支部(金沢市)に到着後、ブリーフィングを受ける医師翌日からの活動に向け、関係各所に連絡し準備を行う医師・事務職員1月9日
日赤第2ブロック活動拠点本部である珠洲市健康増進センターに到着後、すぐに武蔵野赤十字病院のコーディネートチームから引継ぎを受ける事務職員日赤の医療救護班等による避難所での活動情報を整理、分析する事務職員医療救護班をどの避難所に派遣するか話し合う医師ら避難所で医療救護を行なう医療チームが集まる合同ミーティングに参加する医師・事務職員1月10日
今後の医療救護班の活動方針について打合せを行う医師・事務職員避難所での巡回診療にあたっての留意事項について医療救護班に伝達する医師1月11日
到着した医療救護班に珠洲市の状況を説明する医師医療救護班と打合せをする事務職員日赤災害医療コーディネートチームが生活したテント村
日赤第2ブロック(※)が主に活動している石川県珠洲市は宿泊先の確保が難しいため、仮設のテントを設営し、コーディネートチームはそこで生活しました。
(※)日本赤十字社は全国47都道府県にある支部をエリアごとに6つのブロックに分けており、災害時には被災状況に応じて相互支援を行っています。第2ブロックは、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、新潟、山梨で構成されています。
設置期間:1月7日(日曜日)から1月20日(土曜日)まで豪雨と暴風によりテントが飛ばされそうになることもテント内の様子(持参した灯油ストーブで辛うじて暖をとりました)
- 第2チーム
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2月19日(月曜日)から25日(日曜日)まで、日赤災害医療コーディネートチームを石川県に派遣し、珠洲市健康増進センター(日赤第2ブロック活動拠点本部)で、日赤救護班が行う医療救護、避難所アセスメント等の活動に関するコーディネート業務を行いました。
- 派遣期間 令和6年2月19日(月曜日)から2月25日(日曜日)
- 派遣職員 医師1名(成田赤十字病院)・事務職員2名(成田赤十字病院職員1名、日本赤十字社千葉県支部職員1名)
- 派遣先 石川県珠洲市(珠洲市健康増進センター)
- 活動内容 珠洲市内避難所のアセスメント及び巡回診療を行う日赤救護班の活動調整
活動の様子
石川県支部到着後、ブリーフィングを受ける医師・事務職員日赤第2ブロック活動拠点本部である珠洲市健康増進センターに到着医療救護班に珠洲市の状況を説明する医師ともに活動する浜松赤十字病院のコーディネートチームと打合せをする医師医療救護班の巡回診療に保健師が帯同することが決まり、打合せを行う様子活動を終えた医療救護班から報告を受けるコーディネートチーム
- 日赤本社チーム
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2月19日(月曜日)から25日(日曜日)まで、日赤本社から石川県庁に日赤災害医療コーディネートチームが派遣され、当支部職員もチームの一員として活動しました。
石川県庁に常駐する医療・保健・福祉の分野における他組織の本部に日赤の活動方針等を伝えつつ、石川県支部や市町に配置されたコーディネートチームに県庁内の情報を共有するなど「県庁における日赤の窓口」を務めました。- 派遣期間 令和6年2月19日(月曜日)から2月25日(日曜日)
- 派遣職員 医師1名・看護師1名(日本赤十字社医療センター)・事務職員2名(日本赤十字社東京都支部職員1名、日本赤十字社千葉県支部職員1名)
- 派遣先 石川県庁(石川県保健医療福祉調整本部)
- 活動内容 本災害に関連する石川県内の医療・保健・福祉の分野における情報の集約及び被災地に医療等を提供するための調整
活動の様子
石川県庁に到着したコーディネートチーム支部・現地・後方支援コーディネーターの合同オンラインミーティング石川県災害対策本部会議DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)会議本部内の資料を作成するコーディネートチーム石川県庁内の石川県保健医療福祉調整本部の様子(日赤のほか、DMATやJMATなど医療・保健関連機関が集まり活動していました)活動を終え、石川県支部にて終了報告を行うコーディネートチーム石川県支部災害対策本部に掲示されていた、全国から参集した救護班等からの応援メッセージ
医療救護班の派遣
赤十字の医療救護班とは
一人でも多くの人命を救助するとともに、被災地の医療機関の機能が回復するまでの空白を埋める活動を行います。救護所の設置・運営や、避難所等への巡回診療を行うこともあります。
原則として医師を班長とする6名(医師1名、看護師3名、主事2名 ※日本赤十字社千葉県支部では薬剤師1名を追加した計7名)を一班として編成し、医薬品や医療資機材のみならず、食料、衣類、寝具等も持参し、自己完結型の医療救護活動を展開する医療チームです。
- 第1班
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1月15日(月曜日)から19日(金曜日)まで、医療救護班を石川県に派遣し、珠洲市内に設置した救護所(臨時の診療所)の運営や避難所での巡回診療を行いました。
- 派遣期間 令和6年1月15日(月曜日)から1月19日(金曜日)
- 派遣職員 医師1名、初期臨床研修医1名、看護師長1名、看護師2名、薬剤師1名、主事3名(成田赤十字病院職員)、主事1名(当支部職員)
- 派遣先 石川県珠洲市
- 活動内容 石川県珠洲市における医療救護活動
活動の様子
1月15日
出発式の様子石川県支部(金沢市)に到着後、ブリーフィングを受ける医療救護班1月16日
日赤第2ブロック活動拠点本部である珠洲市健康増進センターの様子16日は避難所での巡回診療を予定していましたが、避難所へつながる唯一の橋が地震による地盤沈下により渡ることができず、Uターン訪問を予定していた避難所に電話で状況を確認する看護師翌日活動予定の救護所にて、運営方法などについて説明を受ける医療救護班1月17日
救護所開所前の全体ミーティング問診する医師診療記録を行う医師・看護師血圧をはかる看護師救護所では岐阜県と福島県の薬剤師会の方と一緒に活動救護所内の様子処方された薬について説明する薬剤師活動内容を記録する事務職員医療救護班が活動した救護所
すずなり救護所珠洲市内のクリニックが被災し、かかりつけ医に受診できない被災者の健康を守り、地元の総合病院の負担を減らすことを目的に、1月14日(日曜日)「道の駅 すずなり」に開設された救護所です。
1月18日
血圧を測る看護師被災者を手当てする医師サチュレーションを測る看護師腹痛を訴える被災者を診療する医師薬を処方され安堵の表情の被災者問診を行う医師血圧を測る看護師談笑する場面診療する医師珠洲市内は亀裂が入っている道も多く、安全を確認しながら走行
- 第2班
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1月28日(日曜日)から2月1日(木曜日)まで、医療救護班を石川県に派遣し、珠洲市内の避難所で巡回診療を行いました。
- 派遣期間 令和6年1月28日(日曜日)から2月1日(木曜日)
- 派遣職員 医師1名、初期臨床研修医1名、看護師長1名、看護師2名、薬剤師1名、主事3名(成田赤十字病院職員)、主事1名(当支部職員)
- 派遣先 石川県珠洲市
- 活動内容 石川県珠洲市における医療救護活動
活動の様子
1月29日
日赤第2ブロック活動拠点本部である珠洲市健康増進センター拠点本部に到着後、日赤災害医療コーディネーターからブリーフィングを受ける医療救護班巡回診療前にミーティングを行う医療救護班避難所で巡回診療を実施する医師・薬剤師被災者の話に耳を傾ける事務職員避難所で巡回診療を実施する医師・看護師世帯ごとに段ボールで仕切られた避難所の様子(戸別に訪問し体調を確認する医療救護班)処方された薬について説明する薬剤師1月30日
カーテンで仕切られた避難所で活動する医療救護班保健師に聞き取りを行う医療救護班感染防護衣を着用する医療救護班感染防護衣を着用し巡回診療を実施する医師・看護師1月31日
拠点本部内のトイレを清掃する様子拠点本部で利用する水を給水所に汲みにいく医療救護班避難所に到着し、資材の準備を行う医療救護班血圧を測る看護師活動を終え、報告書を作成する事務職員
- 第3班
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2月5日(月曜日)から9日(金曜日)まで、医療救護班を石川県に派遣し、珠洲市内の避難所等での巡回診療や救護所(臨時の診療所)の運営を行いました。
- 派遣期間 令和6年2月5日(月曜日)から2月9日(金曜日)
- 派遣職員 医師1名、初期臨床研修医1名、看護師長1名、看護師2名、薬剤師1名、主事3名(成田赤十字病院職員)、主事1名(当支部職員)
- 派遣先 石川県珠洲市
- 活動内容 石川県珠洲市における医療救護活動
活動の様子
2月6日
避難所となっている珠洲市立飯田小学校に到着した医療救護班避難所内の様子アセスメントを行う医療救護班血圧を測る看護師被災者の体調を確認する看護師被災者の話に耳を傾ける看護師巡回診療を行う医師・看護師2月7日
でミーティングに参加する医療救護班すずなり救護所診察を行う医師本部と連絡をとる事務職員近隣クリニックの開設情報をホワイトボードに記載する看護師問診する医師診療日報を入力する事務職員突然の大雨により水の掃き出し作業を行う医療救護班2月8日
戸別訪問前にミーティングを実施する医療救護班2月8日は避難所となっている集会所を巡回診療する予定でしたが、訪問した集会所に聞き取り調査をしたところ医療ニーズが特段なかったことから、在宅避難を続けている被災者宅を戸別に巡回し診療を行いました。
2月9日
帰着式の様子帰還した医療救護班
こころのケアチームの派遣
こころのケアチームとは
こころのケアチームは、災害によるストレスを受けた全ての被災者を対象に、精神的なダメージ、心身の疲労、避難生活などから生ずると考えられるストレス状態の軽減を図ることを目的としています。研修により必要な知識や技術を身に付けたこころのケア要員で編成され、被災者の健康や身近な悩みなどをお聞きすることにより、安心感を築いていく心理的な支援と、ハンドケアや足浴などのリラクゼーション、子どもの遊び場の設置、ストレス対処法の広報活動などの社会的な支援も柔軟に考えて活動する特徴があります。必要に応じて、専門的な支援への橋渡しを行うことも重要な役割となります。
- 第1チーム
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2月27日(火曜日)から3月4日(月曜日)まで、こころのケアチームを石川県に派遣し、七尾市役所に設置されたリフレッシュルームにて、訪れた行政職員など支援者※の心理社会的支援を行いました。
※支援者…被災した自治体の職員など、自らも被災者でありながら一般市民の支援を担う職業の方。- 派遣期間 令和6年2月27日(火曜日)から3月4日(月曜日)
- 派遣職員 こころのケア指導者1名、こころのケア要員2名(成田赤十字病院)、事務職員1名(日本赤十字社千葉県支部)
- 派遣先 石川県七尾市
- 活動内容 石川県七尾市内におけるこころのケア活動
活動の様子
疲弊した支援者の心が和らぐようマッサージする看護師マッサージしながら支援者の話に耳を傾ける看護師足浴の様子ハンドマッサージを行う看護師支援者に配布するホットタオルを準備するこころのケア要員NHKの取材を受け「支援者の方は辛いとは言えないので、少しでもホッとできる時間を提供できれば」と語る医療社会福祉士
被災医療機関の支援
被災地の医療機関では、通常の外来診療を中止せざるを得ないなど、医療の提供に深刻な影響が及んでいます。当支部では、地域医療を守るため、市立輪島病院(石川県輪島市)に成田赤十字病院の看護師を派遣しました。
- 派遣期間 令和6年2月11日(日曜日)から2月17日(土曜日)
- 派遣職員 看護師1名(成田赤十字病院)
- 派遣先 市立輪島病院(石川県輪島市)
- 活動内容 病棟業務および外来業務、日勤および夜勤業務
活動の様子

義援金の受付
日本赤十字社では、令和6年能登半島地震災害義援金を受け付けております。くわしくは、以下ページをご覧ください。
日本赤十字社全体の対応
令和6年能登半島地震に対する日本赤十字社全体の対応については、以下ページをご覧ください。